ヤクルトの守備・走塁、コーチのノックの技量

写真アップのストックが切れたので、今日は昨今のヤクルト低迷の元凶ともなっている守備・走塁などについて
素人が日頃感じていることを書いてみます。

昨年、今年とヤクルトが最下位に甘んじている最大の要因は、なんと言っても投手力の弱さでしょう。
これを言うとキリがないのと、館山投手をはじめ、主力に故障者続出で、論じる以前の問題です。

その次に挙げられるのが、12球団でも最低クラスの守備力。
内外野とも平均レベルの選手さえいるかどうかの現状。
外野は、走れない上に緩慢プレーがちょくちょく出るバレンティン選手、センターは日替わり、
ライトの雄平選手は、危なっかしいと感じた一頃よりは随分上手くなったと思います。
昨年は膝の大怪我で練習できてない事を考えると、いつ練習したのかしらと思うほど進歩のあとは見られます。

内野陣は、こちらも他球団なら使われない守備のレベルの選手が、打撃優先で内野のレギュラーを張っています。
かといって、守備固めに使う内野手も、慶三くんが出て行ったので、これといっていません。

ヤクルトの場合、青木選手が抜けて以来、センターラインが固まっていません。
強いチームはセンターラインがしっかりしているというのがありますからね・・・。
その青木選手の守備さえも、新庄選手を長く見てきた私からすると、
ゴールデングラブの常連であることに首をかしげていたくらいですからね。
もちろん、今の外野手よりは遥かに安定していましたが。

高田前監督は、青木選手の守備に関してはかなりシビアな目で見ていたようで、
キャンプで直々に厳しく注意されていたのを私は目撃しています。
試合でも、守りの意識が低いと叱責され、レフトに行かされたことがありましたね。
今や、そういうレベルの問題じゃありませんからね。
上田剛史選手はファインプレーもありますが、ポカも多くて、プラスマイナスどちらとも言えず、比屋根選手は弱肩。

チームが安定して強くなるためには、基本はやはり投手力を軸にした守りでしょう。
ヤクルトはそこが崩壊しているので、当然のように低迷しています。
実際、12球団トップの打撃力をもってしても、チームは最下位です。


毎年、キャンプでいろいろなチームを回って見学してきましたが、守備練習に関して私なりの感想を。
キャンプレポの際にも書いていて重複しますが、再度書いておきます。

ヤクルトの場合、とにかくノックがお嬢さんノックなんです。
私の場合、主にキャンプ開始時の序盤しか見ていないので、あまり断定しては言えませんが、
それでも感じるところはあります。

一例をあげるなら、キャンプでの野手へのノックが、中日の投手陣へのノックよりゆるいことです。
フィールディングがいい浅尾投手へのノックなんて、それはもうヤクルトの野手以上ですからね。
それをまた何なく捕球します。

ヤクルトキャンプで、サブグランドでの特守を見たこともありますが、これが特守?って感じ拍子抜けでした。
届くところにしかノックを打たないので、あれでは球際に強くなれないでしょうね。

私ごとですが、おばさんになってテニスを始めましたが、テニスも振り回しの練習が一番きついんです。
前後、左右に球出しをされ、それはもう息が上がってハードな練習をやりました。
届くところに球が来ても、それは基本練習にはなっても、それ以上の成果は得られません。
ギリギリのところがようやく届くようになるのが第一歩で、それを正確に打ち返せるようになって、
初めて実戦で生かされます。
打球の予測、スタートを切る一歩目の大切さ、そしてフットワークが培われます。
野球の守備だって同じだと思うんですよね。


今年はキャンプ見学はパスしましたが、昨年の場合、小川監督自らノックしたこともありますが、
岩村選手がサードでノックを受けていたシーンで、まだ小太りだった岩村選手が、
ちょっと左右に打球を振ると捕れないと見るや、
次からは遠慮してか、捕れる範囲にしか球出しをしませんでした。小川監督流の気配りなんでしょう?
ほんの一例ですが、だいたいがこんな感じでやっています。
これでは練習になりません。
私が見てない部分では、若手に対してはもっと厳しいノックを浴びせていたとは思いますが。

内野の城石守備コーチにしても、ノックは決して下手ではないと思いますが、
来季も続投なら、もっと強弱つけて、ギリギリの所に振り分けるノックの技術を磨いてほしいと切望します。
根が優しいのか、あまり意地悪なノックをしているのは見たことがありません。
ただ、山田選手に関しては、送球面での弱点があるので、こういう選手の場合は、どんな練習が有効なのでしょう?

外野のノックに関しては、よくわかりませんが、飯田コーチはまずまずだったように思います。
福地コーチのノックは、今年のキャンプは見てないので、私は何も言えません。

外野の守備練習でもっとやってほしいのは、頭を越されるような打球の場合、一旦目をきって、
ボールの落下点を予測して全力疾走でそこまで行って捕球する練習。
プレー中は、基本はもちろんボールから目を離さないことですが、後方への打球に対し、
ボールをチラチラ見ながら追っていって、俊足なのに結局捕れないというシーンを多く見かけます。
捕る方も、球出しも非常に難しいプレーですが、キャンプから練習をやっていないと、とても本番ではできません。
もちろん、そういう練習はやってはいるんですが、徹底してやってはいませんでした。

外野守備の名手と言われた、飯田、イチロー、新庄選手などは、こういうのが普通に出来ていました。
まあ、センスの問題でもあるんでしょうけど。


普段の試合前のシートノックは、まあどこのチームでもあんなものだと思います。
ただ、ヤクルトの場合、外野からのバックホームがお粗末。
ごく浅い位置からしかダイレクトにバックホームはしませんからね。
ほとんど内野がカットに入って、外野の肩の見せ場がありません。肩が弱いというのがあるんでしょう。

新庄選手が在籍当時のファイターズのシートノックなんて面白かったですからね。
稲葉、森本稀哲、新庄選手ら、そこそこ深い位置からでもみんな競ってダイレクトにバックホームして、
練習中からスタンドが沸いていました。
身体能力の差といえばそれまでですが、ファンはそういうところも見る楽しみはありますからね。

稲葉選手は抜群の送球コントロール、
ひちょり選手は守備がメキメキ上達して、2006年日本一のシーズンは新庄選手以上の外野守備をしていました。
その後、急激に劣化したのは残念ですが・・・。

実際のファイターズの試合では、各打者への外野のポジショニングが抜群に良かったというのもあって、
外野の間を抜けることが少なくて、2塁打や3塁打など長打を阻止していました。


グダグダ書いてきましたが、守備力アップのためには、選手を鍛える前に、その前提となるノッカーの技術向上が、
ヤクルトの場合、もっと必要かと私は思います。

球界の名ノッカーとしては、現中日GMの落合博満さん、現オリックス監督の森脇浩司監督、
そしてWBCでも守備・走塁コーチをした現阪神コーチの高代延博守備走塁コーチなどが知られています。

落合さんは監督時代の鬼ノックが有名ですが、私は実際に見たことが無いので、
YouTubeに上がっている動画を何本か見ましたが、なるほどと思いました。

まず、特守の時間が長い。ノックがゆるいものから徐々に走る距離を伸ばし、緩急つけて打っていること。
一番感心するのは、野手が捕れるかどうかのギリギリのところへのノックですね。
ノックは受ける方はもちろん大変ですが、球出しする方もそれなりの技術が必要です。

森脇さんは、Wikipediaによると、あるテレビ番組のコーナーで
「ここ(通常の右打席)から打って三塁線のフェアーの打球を3バウンドさせ外野フェンスの○△×□社の広告の“×”の文字に当てて下さい」と注文され、いとも簡単に言われた通りのノックを披露してみせたというエピソードがあります

チームの強さはシートノックと走塁を見れば分かる」と話すのは、現阪神守備走塁コーチの高代延博コーチ
Sportivaのコラム 「日本一の三塁コーチ」高代延博が阪神を変える

高代さんは、ノック技術が高いだけでなく3塁コーチとしても日本一と評価されています。

上のコラムの中で、「クロスプレイでのあと一歩、この大切さをチーム全体で共有しているかどうかは、
ランナーのセーフティリードの幅、第2リードの距離を見ればすぐに分かる。
シートノックにしても同じ。一球をいかに大切にしているか。チームの文化、それがいかに徹底されているかが
一番に表れるところやからね」と解説しています。

また、守備に関して、同コラムで興味深かったのは
「守備は必ずうまくなる。ポイントは”線”。ボールをキャッチするポイントは一点じゃない。
捕る前からずっとグローブの中身がこっち(ノッカー)に見えているヤツは、”線”でボールを捕れる。
捕る瞬間になってグローブの中身が見えるヤツは”点”や。ここがまずポイントやな」と話されています。

昨年のことですが、私はWBC日本代表の宮崎合宿を見学しましたが、その際に、高代コーチから
一番アドバイスを受けていたのは、ソフトバンクの本多雄一選手でした。

セカンドでは、本多選手のほか、松井稼頭央選手、鳥谷敬選手がノックを受けていました。
素人目では、この時は私は松井稼頭央選手のグラブさばきが最も華麗に見えましたね。
やっぱり上手いわと感心したものです。
鳥谷選手は普段はショートなので、動きがイマイチって感じでした。
そして、最もミスっていたのが、セカンド本職の本多選手でした。
遠くからしか見ていませんが、今思うと、本多選手へのアドバイスはグラブの出し方のようでした。

今のヤクルトの内外野陣の守備や、走塁を見たら、高代コーチはどんな感想を抱くのでしょう!?
ちょっと知りたいですね。
このチームは、弱いだけのことはあると、きっと思われてるんでしょうね!?

特に走塁に関しては、選手個人の意識の低さが目立ちます。
スタートが遅い、打球判断が悪い。安全な塁までしか走らなくて無理はしない。
もちろん、果敢に次の塁を狙う選手もいますが、ごく限られています。
山田くんや三輪ちゃんは好走塁が多いですね。


ただ、今シーズン、ひとつだけ改善されたことは、サードコーチが城石憲之コーチから福地寿樹コーチに変更となり、
昨年までのような本塁憤死が激減しました。これは福地コーチの状況判断がいいからなんでしょう。
福地コーチがサードコーチ役に就いたことが、今季ヤクルトの数少ない補強となりました。

足のある選手に対しては積極的に手を回していますが、鈍足選手やスタートが遅れた場合には、
止めていることが多いです。
福地コーチの判断力はかなり的確なように感じます。
やや、慎重かな?と思うこともあって、もっと手を回してもいいかもと思うこともありますが、
手を回せない判断の裏には、ランナー自体の打球判断が悪く、きっとスタートも遅いんでしょうね。
テレビでそういうシーンは何度も見ました。次の塁へ行けない走塁ミスが多いんですよね。
ヒット3本打っても得点できないことが多々ありますからね・・・。

走塁のスペシャリストだった福地コーチなので、各選手の走塁に対する意識をもっと高めるよう
日頃からの指導を宜しくお願いしたいです。

話しがアチコチとっ散らかってまとまらなくなりました。

以前は、ヤクルトはこんなに守備がガタガタのチームではなかったように思います。
守備力アップの為には、まずは守備コーチがノックの技術を向上した上で、
各選手にもっとハードな練習を課してほしいと思います。
公式戦が始まってからは、なかなか集中して個別の守備練習は出来ません。
ましてや、こんな猛暑にやっていては消耗するだけです。
来シーズンのためにも、秋季練習、秋季キャンプ、そして春の沖縄キャンプで徹底して鍛えてほしいと思います。
何年も沖縄キャンプに通っていますが、スワローズのキャンプはゆるいなあというのが私の偽らざる感想です。
今年は、怪我をしないようキャンプの練習を、あえてゆるめにしたとかどうとか聞きましたが、
もし事実なら、それは本末転倒じゃないかと思います。

福地寿樹コーチ、城石憲之コーチ 教える方も更なる技術向上をお願いします。
ヤクルトの守備・走塁、コーチのノックの技量_e0222575_1716294.jpg

by misty2011 | 2014-08-03 11:56 | 東京ヤクルトスワローズ

プロ野球フォトブログ/東京ヤクルトスワローズ・山田哲人選手を応援しています。

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