テレ朝「GET SPORTS」山田哲人選手“覚醒”の秘密 文字起こし

9日の深夜、テレビ朝日で放送された「GET SPORTS」山田哲人×前田智徳~覚醒の秘密~ 
今年、日本人右打者シーズン最多安打の記録を64年ぶりに塗り替えた山田哲人
その22歳の覚醒の秘密に前田智徳が迫る から、放送の内容をざっと紹介します。
全編の文字起こしはちょっと大変なので、主に放送のメインとなる部分です。

これまで、NHKやフジのすぽるとなどで、山田選手のティーバッティングは何度も紹介されていますが、
今回の山田選手特集の放送がいちばん中身が濃くて見ごたえがありました。

天才打者といわれた前田智徳さんとの対談と、練習シーン、試合中の映像を交えて、
燕の至宝 山田哲人 “覚醒”の秘密に迫ります。

2014年 日本人右打者シーズン最多安打193安打で記録を更新した山田哲人選手
いま、「旬」の選手として、侍ジャパン日本代表にも選ばれました。

履正社高校時代は通算31本塁打をマーク、スラッガーとして注目されていました。
2010年ドラフト1位で東京ヤクルトスワローズ入団
2011年、クライマックスファイナルステージでプロデビュー
昨年まではプロ3年間で4本塁打、110安打だった山田選手が
4年目の今シーズンは、打率.324 29本塁打 193安打と大ブレイク

その成長の裏にあったのは、ティーバッティング=打撃の基礎練習
指導する杉村繁打撃コーチはティーバッティングから基本練習を始めるタイプのコーチで
やってみたらどうかということで、マンツーマンで、山田くんの指導にあたりました。

ティーバッティングの種類は10種類以上
映像では、斜め前からトスする基本をはじめ、バランスボールに座って打つ、低目を打つ、
ウォーキングしながら打つ、左打ちなど様々。

山田哲人選手の打撃成績は昨年からの比較で
ホームラン数が3本→29本 
アウトコースの打率は.243→.287
2ストライクからの打率.256→.292

打撃の飛躍をもたらした3つのティーバッティングについて、山田選手自身が解析します。

まずはホームランが増えたことに関して
バットをクロスにさせてからボールを打つティーバッティング
バットを「X」させ、Xの交わるところが体の中心なので、そこでボールを捉える練習
そのポイントが一番力が入るし、強い打球が打てる。
力が入るポイント=体の中心 それを体に染み込ませたことを挙げていました。

去年と今年の映像比較が出ていて、去年は体から遠いポイントで打っていたのが、
今年は体に近いところで球を捉えています。
力の入るポイントで打てるようになったのが、長打力向上につながりました。


続いて、アウトコースが打てるようになったティーバッティングとは
去年までは、山田くんは引っ張りが専門でアウトコースが苦手でした。
昨年のコース別の打率は
アウトコース .243 真ん中 .322 インコース .292 でしたが、
今年はアウトコースの打率が.287とアップ

アウトコースの球を右方向に打つティーバッティングの映像
去年までは、右方向へは打球がスライスする感じが多くて、ファールやライトフライに終わって
打ち損じが多かった。
今年は、インパクトの瞬間、ボールに対して正しく力が伝わる押し込む感覚を養ったことが、
アウトコースの打率アップにつながった。
ボールが横回転することなく、伸びる打球となったと話していました。

理想的なアウトコース打ちが出来た打席として、神宮で菅野智之投手から放ったホームランの映像
アウトコースを狙い打って右中間スタンドへ放り込みます。
打球がスライスしてない、去年まではここまで振れてないと。
アウトコースの遠いボールを強く打てたりすると、このティーのおかげだと思うと。

前田智徳氏は「これだけ効果がある。ティーは大事なんですよ」と、非常に説得力あるコメントでした。


3番目は、2ストライクからの打率向上につながったティーバッティング
2ストライクと追い込まれてからの打率は去年の.256→今年は.292とアップ

一般的にはティーは斜め前からトスしますが、真横からのティーバッティングが紹介されます。
しかも、杉村コーチの投げるボールのスピードが通常より速い!

山田くんは、追い込まれたらアウトコースを狙うが、インコースに来た時に、パッとバットが出せるようになったと。
前田智徳さんも「これは凄いなあ~と思った」と感心しきり

山田くん曰く、今までは、詰まってぼてぼのゴロや手が出ずに三振したことがあったが、
厳しいボールはカット出来たり、詰まっても振りきれるのでポテンヒットが増えたと。
真横からのティーでは、速いボールがいきなり来るので、反射的にバットを出せなければならない。
さらに、そのボールが真横から来るので、体に近いインコースへの対応の訓練になるとのこと。

その成果として、交流戦で岸孝之投手から打ったホームランの映像が流れます。
アウトコース攻めをされ2-2と追い込まれ、山田くんの意識は9割がたアウトコース、1割インコースでしたが、
2ストライクから逆のインコースを投げられても、レフトスタンドへホームランを放り込みました。
インコースのけっこう厳しいボール、しかも2ストライクと追い込まれてからの状況で打てたのは、
真横からのティーバッティングの成果だと話していました。

前田智徳さんも「速いインハイのボールをあれだけ打てるのは凄い!」と、ここでも感心していました。

ここで、打撃向上につながった3種類のティーバッティングのおさらい
1.バットをクロスさせてから打つ→長打力アップ
2.アウトコースのボールを右に打つ→アウトコース打率向上
3.真横からのボールを打つ→2ストライクからの打率向上

バリエーションに富んだ10種類以上のティーバッティング
これが山田哲人選手を覚醒に導きました。

山田くんは、ティーをしないと試合に挑めない、習慣づきましたと。
ティーに全部つまっているので、いいっすね~!

前田さんは「こんなにやっている選手はいない、間違いなく。そうでないと、あれだけの数字は残せない」と
山田くんを称えていました。

日本球界のヒットメーカーへと飛躍した山田選手は、次は日本代表として世界と戦います。
前田氏から日本代表に選出されての目標を聞かれ
「プレッシャーはかかると思うんですが、その中で適応して結果を出したい。打てるよう頑張ります」

簡単ですが、以上です。

小久保監督は、セカンドは菊池選手優先で起用する方針のようで、山田くんがどういう使われ方をするかわかりませんが、
チャンスをもらった際には、きっちり結果を出して、小久保監督にアピールできればいいですね。
侍ジャパンのために、不慣れなサードや1塁の練習を強いらていますが、何事も経験。
前向きにとらえて、今後の成長の糧としてほしいと願っています。

昨年、川端選手が代表入りしてもほとんど使われなかったので、今年の山田くんもそうなるかもしれませんが、
前の記事で書いたように、仁志敏久コーチから、いろいろ守備の指導してもらえるのは大きいと思います。
短期間でもこれはチームでの指導より効果が出るかもしれません。
私はそこに大いに期待したいと思います。

今回の番組は、練習の方法、目的が具体的に理解でき、
また、去年との打撃の違いなどもはっきりわかってよかったと思います。
あの天才バッター前田智徳選手が、始終柔和な表情で、山田くんを見つめる優しいまなざしも印象的でした。
山田くんも偉大なバッターを前に、緊張はしたと思いますが、素直に堂々と話していて頼もしく思いました。
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写真は3月30日神宮での前田智徳さん 引退後、解説者や評論家として活躍。

【追記】
山田選手を指導している杉村繁コーチは、現役時代は、期待されながらも結果を残せず引退しました。
コーチになってからは、ヤクルトでは青木宣親選手、横浜時代には内川聖一選手を育てあげました。
そして、再びヤクルトに戻って来て2014年山田哲人選手の打撃を開花させました。

杉村コーチによる基礎のティーバッティングを大切にする練習方法、
同じことをやってすべての選手が山田くんのように覚醒するわけではありません。
また、山田くんが他の打撃コーチの指導で、これだけ覚醒できたかかどうかは、誰もわかりません。
ただ、ひとつだけ言えることは、山田選手はやっぱり杉村コーチとの出会いがあったからこそ、
ここまで大ブレイクできたんでしょうね。

出会ったのが、まだこれからの伸び盛りの時期であったことも幸いでした。
選手が一気に伸びる背景には、本人の才能、努力はもちろんですが、
山田選手にあった指導法の杉村コーチとは、まさに運命的な出会いを感じます。
これからも、ヤクルトの至宝、山田哲人選手のご指導を宜しくお願い致します。

Sportiva 4年目の覚醒。山田哲人が「ヤクルトの至宝」になるまで
by misty2011 | 2014-11-10 13:22 | 東京ヤクルトスワローズ

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by misty2011
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